剣道・柔道・空手などの武道家におすすめのメンタルトレーニングのための本

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剣道・柔道・空手などの武道家におすすめのメンタルトレーニングのための本

剣道・柔道・空手などの武道家におすすめのメンタルトレーニングのための本

今回は剣道や柔道、空手などの武道家に、メンタルトレーニングで有効だと思われる本を、2冊ご紹介したいと思います。

 

メンタルトレーニングと言ってもかなり哲学的、宗教的な内容の本です。

 

具体的にすぐ試合で役立つ本というよりは、日頃の自分の土台の中に組み込んでおけば、きっといつか役立つ場面が来る、といった種類の本です。

 

武道の真髄が書かれた本

1冊目は、昔の禅僧である沢庵禅師が書いた

  • 「不動智神妙録」

です。

 

「不動智神妙録」の詳しい内容はこちら

 

全国の武将・大名・武芸者と交流のあった沢庵禅師が、友人に対して
「出世の結果最近、剣の腕が鈍っているのではないか」
とお灸をすえるべく書かれたものです。

 

将軍家の指南役である、柳生家当主にあてて書かれているので、剣の道についてなのです。

 

武道の真髄が書かれているとして、この本を評価する武道家は、剣道以外にも多くいます。

 

短い本なのですが禅問答形式で、いかにして迷いなく剣を振るえるようになるかが語られています。

 

  • 無明住地煩悩(心が迷っている状態はよくない)
  • 諸仏不動智(ただ動かないのではなく、心は自由に動かし、かといって一つの事物にも心が囚われていないようにせよ)
  • 石火之機(心が何ものにも囚われていない状態であろうとすることも、囚われているのである)

といった内容が続きます。

 

内容が難解で、かつ禅の用語が入るので、じっくりと読まなければ頭に入ってこない本です。

 

試合の際に、

  • 相手の出方などを考えてしまって体がこわばってしまう人
  • 組手の際にいまいち力が入ってこないような人
  • 自分の武道自体が分からなくなってきた人

におすすめかも知れません。

 

自分はこれを読んでから、武道の究極的なあるべき姿のようなものを垣間見れた気がして、少なくとも練習にはかなり集中して臨むことが出来るようになりました。

 

まだまだ未熟ですが、1年おきぐらいに読む度に発見がある本です。

 

「不動智神妙録」の詳しい内容はこちら

 

 

無心とは何か?

2冊目も1冊目と似ているのですが

  • 「弓と禅」

という本です。

 

「弓と禅」の詳しい内容はこちら

 

こちらはドイツ人の哲学者が、日本の弓道の名人に弟子入りして学んでいく過程での問答となっています。

 

ドイツ人のガチガチの理詰めの思考の筆者が、日本の大学教授となったことで、日本文化を学ぼうと弓道家に弟子入りします。

 

その過程で
「見なくても的には中る」
という師範の言葉に困惑します。

 

師範は夜中に筆者を道場に呼びつけて、暗闇の中、火を灯した線香を前に立てた的を射ます。

 

1本目が、中り線香のあるのかないのか分からない明かりさえも消えました。

 

その後師範は2本目を射ました。

 

的を見てくるように言われた筆者が明かりをつけると、2本目は1本目自体を貫く形で的に刺さっていました。

 

これ以降筆者は、的を狙う事を考えず修行に励み、師範に認められます。

 

この矢自体を射ぬく絶技を見せる前に、筆者に向かって師範が
「クモが巣を張るときに形を考えて張りますか?ハチが宙を舞い、そしてクモの巣にかかるときハチは考えていますか?」
と問いかけます。

 

師範は弓を引いて射る動作自体を無心でやるという事は、クモやハチの振る舞いのようであることだといいました。

 

「弓と禅」の詳しい内容はこちら

 

無心に関する例え話

私は試合の前などに緊張して、つい相手がこう来たらこうするなどと考えがちでした。

 

この本を読んでからは、試合前にはなるべくこの例えの事を考えて、気分を鎮めるようにしています。

 

相手の出方に対する自分の対処法などは、日頃の練習の中でやるべきことで、試合会場で闇雲に考えて緊張するものではないですからね。

 

試合前に緊張しやすい人に特にお勧めします。

 

弓道を通してですが、武道でよく言われる「無心」とは何かが分かる気がします。

 

「無心」について語る際に、そうするしかなかったのでしょうが、様々な逸話、例え話が出てきます。

 

読んだ人の心にぐっとくる箇所がきっとあると断言できます。

 

以上の2冊、武道の究極系、無心とはなにか、などを考えあぐねている人や、現状の自身の武道に悩んでいる人には、きっとヒントを授けてくれる本だと思います。

 

「不動智神妙録」の詳しい内容はこちら

「弓と禅」の詳しい内容はこちら

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