寝技の強度を上げる「絞り」のやり方

武道家におすすめの情報

【柔道特有の稽古法「絞り」とは?】

寝技の強度を上げる「絞り」のやり方

「寝技をかけてもすぐに返されてしまう」

「寝技をかけようとしても腕力で負ける」

 

といった悩みを持つ柔道家は少なくないと思います。

 

もちろん寝技にはテクニックも必要ですが、単純に「筋力」が足りていないというパターンも多いようです。

 

寝技が苦手だという選手にオススメしたい稽古法が

  • 「絞り」

です。

 

絞りは柔道家に必要不可欠な広背筋などを効率的に鍛えることができる稽古法で、特に
寝技のパワーアップに効果的
だとされています。

 

道具不要・一人でも出来る・室内で出来るなど、手軽に出来てメリットが多いのも特徴ですね。

 

  1. 腹ばいで床に寝転がる
  2. 両手をまっすぐ前に伸ばす
  3. 手をグーにして肘まで床につける
  4. 腕を曲げる力で身体を前に進める

 

これが絞りの大まかな流れです。

 

実際に動いてみるとわかりやすいと思いますが、腕の力だけで進むほふく前進のような感じですね。

 

注意すべき点は、必ず「手を曲げる力だけで進む」ということです。

 

ヒザはまっすぐ伸ばし、足の力は一切使わずに進まなければ意味がありません。

 

柔道絞り動画

 

 

【絞りを行うメリットは?】

 

普段の練習から絞りを続けていると、上半身の筋力を増強するのに役立ちます。

 

特に広背筋などの筋肉を大きくすることができるので、寝技の成功率をグンとあげることができるでしょう。

 

ウエイトなどを使った筋トレでも広背筋を鍛えることは可能ですが、知識のない状態で筋トレをしても不必要な筋肉ばかり大きくしてしまいかねません。

 

全身の筋肉をバランスよく鍛えるのも悪くはありませんが、あくまで
「柔道に必要な筋肉」を鍛える
ことを意識するなら、筋トレよりも絞りのほうが効率的だといえるのです。

 

絞りは広背筋のみを鍛えているのではなく、大胸筋などの筋肉も同時に鍛えてくれるのです。

 

絞りで身体を鍛えることは、寝技全般のパワーアップに役立ちます。

 

しかし絞りの体制は「上四方固め」の体勢に近いため、
上四方固めの成功率は顕著に上がる
でしょう。

 

筋力が増大したことも理由のひとつですが、普段から絞りを行うことで上四方固めのフォームが自然と綺麗になっていくからです。

 

 

【より効果的に絞りを行うポイントは?】

 

絞りを行うときは、常に「見えない相手」を意識することが大切です。

 

ある種、絞りは柔道バージョンのシャドーボクシングのようなもので、「もしもここに相手がいたら」と意識しながら行うかどうかで効果が違ってくるのです。

 

絞りの体勢に入ったら、自分の下に上四方固めをかけられる体勢の相手選手がいると思ってください。

 

ちゃんと「自分の下に人がいる」というていで体勢を作ることで、腕と腕の幅や、腰の角度などを正しく意識することができます。

 

相手をイメージせずに絞りをやっていると、変な体勢が身についてしまうので、実際の試合では隙が大きくなってしまう可能性すらあるのです。

 

絞りは単なる筋トレではなく、実際の試合を想定したイメージトレーニングでもあるわけですね。

 

相手が抜け出そうとしたらこうやって動く…
横から抜け出されないようにしっかり脇をしめる…

 

といったポイントを押さえながら行うことで、段違いの効果を得ることができます。

 

 

【絞りを行う上での注意点は?】

 

絞りは腕の力だけで進むものですが、足を疎かにして良いというわけではありません。

 

腕のフォームだけでなく、足のフォームもしっかり守るようにしましょう。

 

腕で前進している際、ヒザはまっすぐに伸ばしておいてください。

 

足はハの字に広げ、足首だけは直角に曲げて親指で地面を軽く押すのがポイントです。

 

要するに、相手に上四方固めをかけているときと同じような足の形を作っておくということですね。

 

絞りは寝技のイメージトレーニングになっているわけですから、腕だけでなく足のフォームにも気を配るのが当然です。

 

寝技をかけるときは足をハの字に広げておかないと、すぐにひっくり返されてしまいますよね?

 

また、親指を地面に立てておかないと力が入りませんよね?

 

そういった「試合中には常に意識すべきこと」を、絞りの段階でもしっかりと習慣づけておくことが大切になるわけです。

 

逆にいえば、絞りで「足に意識を向けない」という状態を習慣づけてしまえば、試合での勝率もガクッと下がりかねませんので注意してください。

 

 

柔道絞りポイントや注意点の動画

 

 

柔道で上達していくには

  • 一流の人がどのような練習や考え方をしているのか?
  • 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
を知ることが、一番の近道です。
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
柔道上達プログラム
世界選手権2連覇しオリンピック金メダリストの岡田弘隆先生の
柔道技を効果的に仕掛けるための
  • 『崩し方』
  • 『タイミング』
  • 『間合い』
  • 『スピード』
と様々な柔道の技の具体的なかけ方、連絡技や変化技など、『技の幅』を広げ、決定力を高めるための“秘訣”を伝授しているDVDです。
柔道ジュニア選手育成プログラム
講道館少年部指導歴20年の向井幹博先生の
  • 少年柔道家を真に優れた柔道選手に育て上げる極意
を公開しているDVDです。
  • 将来を見据えた基礎技術指導
  • ジュニア選手特化のトレーニング法
  • 小学生の目線での動画解説
などを中心に紹介されています。
柔道体力強化プログラム
柔道で強くなるためには、技術だけでは強くなりません。
体力という基礎があって技術が活かされます。
その基礎となる体力も、柔道に特化されたものが必要になります。
その
  • 柔道に特化した体力強化
のみを解説しているDVDがこちらになります。
これほど柔道に必要な体力強化を詳細に解説しているDVDは、他にはないでしょう。

柔道をしている人におすすめのラインスタンプ

柔道大会の結果報告に使えるおすすめのラインスタンプです。 柔道おすすめラインスタンプ
スポンサードリンク

関連ページ

受けが寝技上達の重要な稽古になる理由とは?
寝技を得手とする人から教わることが寝技を習得するにあたって最も大切な事です。受けを練習することによって、寝技の抑え込みの重要な点や、返す時に巧みな力の出し方などを、体に覚え込ませることが可能になります。抑え込む際に極めるための力は「絞り」、抑え込まれた際に逃げるための力を養うのは、えびや逆えびが有効です。
寝技で上達するには?寝技が下手な人に共通している特徴は体重のかけすぎ
寝技が苦手だという方に多いのが寝技を行う姿勢に問題があることです。腕力や体重差ではなく、寝技が下手な人に共通しているのは「体重のかけすぎ」です。柔道の極意は、相手の動きに合わせて柔軟に動く技にあります。技から抜け出そうとする相手に合わせて動くことで、相手の体力が消費する本当の寝技が完成するのです。
腕緘を仕掛ける方法と逃げ方の具体的な方法とは?
腕緘は見た目こそ地味ですが、数ある柔道技の中でも「必殺技」と呼ぶにふさわしい強力なテクニックです。テコの原理を使って関節を極めるので一度決まるとほぼ脱出は不可能、腕緘が上手い選手は寝技で無類の強さを発揮します。本当に勝率を上げたいなら「腕緘のかけ方」だけを学ぶのではなく、「腕緘からの逃げ方」もしっかり頭に入れておきましょう。正しい対処法を知っていることが、試合でのピンチをチャンスに変えてくれるかもしれませんよ。
柔道で寝技をかけられたときの返し方4パターン
袈裟固めから抜け出すテクニック 横四方固めから抜け出すテクニック 崩れ上四方固めから抜け出すテクニック 肩固めから抜け出すテクニック を紹介いたします。